歴史分野のテストでは、必ず文化史の問題が出てきます。
その時代に書かれた本、つくられた仏像など、単体で覚えようとしても名前が難しくてなかなか頭に入ってきません。
歴史の流れと特色を一緒に覚えていきましょう。
文化史のポイント
文化史を覚えるポイントは、まず「その時代には何が起こっていたのか」を押さえることです。
例えば、平安時代の文化として登場する「国風文化」。
日本独自であり、日本の風土に合う文化として「ひらがな」などが生まれます。
ではなぜこの時期に急に日本独自の文化が花開いたのかといえば、ちゃんと理由があるのです。
それまでの日本は、遣隋使や遣唐使を送り、中国から政治の仕組みや文化を学んでいました。
だから、中国から学んできた仏教が広がり、漢字が使われていたのです。
その遣唐使を廃止し、中国との正式な国交がなくなったのが894年。
そのため、中国の影響を受けていない日本独自の文化が広がっていくこととなりました。
このように、文化というのはそのときの政治のようすや国の情勢と大きく関わっています。
まずはその背景をつかむことから始めてみましょう。
そして覚えるときには、文化の名称、その時代、文化の担い手、代表的な作品や建築をまとめて覚えるようにするとよいですよ。
覚えておくべき主な文化
それでは、具体的によく登場する文化を紹介します。
ごく一部ですが代表的な作品などもあげておきますので、一緒に覚えましょう。
①国風文化
平安時代中期~後期。
貴族を中心に広がった、日本の風土や生活に合った文化。
日本特有の建築である「寝殿造」や、日本独自の文字である「かな文字」がうまれました。
かな文字は主に女性が使った文字で、女性による文学も多く残っています。
代表作
・随筆『枕草子』(清少納言)
・物語『源氏物語』(紫式部)
・日記『土佐日記』(紀貫之)
②鎌倉文化
鎌倉時代に広がった文化。
この時期、武士が政治の実権を握るようになったことから、鎌倉文化は武士らしく素朴で力強い文化と言われます。
東大寺南大門にある『金剛力士像』はその代表です。
また、戦乱が続いて世の中が不安定だったことで、『鎌倉仏教』と呼ばれる新しい仏教の宗派も次々に誕生しました。
鎌倉仏教の特徴は、「唱えるだけ」や「踊るだけ」など、民衆にも実践しやすい簡単なものであったということです。
鎌倉仏教
・浄土宗(法然)
・浄土真宗(親鸞)
・時宗(一遍)
・日蓮宗(日蓮)
・臨済宗(栄西)
・曹洞宗(道元)
③室町文化
室町時代に広がった文化。
室町幕府は都である京都で開かれたこともあり、室町文化は公家(貴族)の文化と武士の文化が融合しているという特徴があります。
『金閣寺』や『銀閣寺』はまさにその象徴です。
また、民衆文化が広がり、能や狂言、茶の湯、生花、お伽草子などが広がりました。
④元禄文化
江戸時代の、17世紀の終わり頃~18世紀ごろに栄えた文化。
5代将軍の徳川綱吉の時代の頃になると、世の中が安定し始め、文化が盛んになりました。
中心地は「上方(大坂・京都)」で、町人が中心となりました。
代表的な作品
・人形浄瑠璃「曽根崎心中」(近松門左衛門)
・浮世草子「日本永代蔵」(井原西鶴)
・俳諧「奥の細道」(松尾芭蕉)
⑤化政文化
江戸時代後期、19世紀はじめごろに栄えた文化。
元禄文化は上方中心でしたが、化政文化は「江戸」の町人が中心となった文化です。
代表的な作品として、浮世絵では「富嶽三十六景」(葛飾北斎)、小説の「東海道中膝栗毛」(十返舎一九)などがあります。
また、川柳や狂歌など、世の中の風刺、皮肉が流行しました。
元禄文化と化政文化は、よく正誤問題などで違いを問われます。
どちらも江戸時代なので間違えやすいのですが、このふたつは特にしっかり区別しておきましょう。
まとめ
さて、ここまで文化史について特徴をおさえてきました。
どうしても、ただただ暗記することになってしまいがちなのが、文化の分野です。
余裕があれば、「どんな話だったのかな」と訳されたものを読み、実際に絵画を見てみましょう。
イメージづけることで、覚えやすさもアップしますよ。