国語で読書感想文を書く課題が出され、このような悩みに直面したことはありませんか?
・「読書感想文で書くことが見つからない。」
・「どんな本を選べばいいのか、わからない。」
・「原稿用紙5枚(2000字)も書けない。」
この記事では、もと中学校の国語教員の経験をもつ私が、読書感想文の書き方を紹介します。
ここでは、読書感想文が書けないと悩む中学生に、以下のポイントを解説します。
・本の選び方
・原稿用紙5枚の構成
・書き出しのポイント
・あらすじの書き方
・感想の書き方
・結びのポイント
15分くらいで読める記事ですが、書いてあることを実践すれば、すらすらと読書感想文が書けるようになるでしょう。
それではさっそくいきましょう。
中学生の読書感想文 本の選び方
読書感想文の本の選び方のポイントは、
「心を動かされたか」
「知らないことが書いてあったか」
「自分との比較ができるか」
です。
なぜなら、これらのポイントを押さえた本は、読む前と読んだ後で自分に変化があり、感想が書きやすいからです。しかし、具体的にどんな本を選んだらいいのでしょうか。
詳しく見ていきましょう。
「心を動かされる」とは
感動して思わず泣いてしまったり、読んでいて思わずページをめくりたくなった本のことです。
物語のおもしろさを他の人に伝えやすく、自分の心の動きを表現できます。
「知らないことが書いてある」とは
自然科学や国際社会など、自分が知らないことを解説してある本のことです。
新しい発見や驚きが多くあり、本を読んで新しく知ったことや思ったこと、考えたことを書くことができます。
特に「新書」と呼ばれる本には、中学生にもわかりやすく書かれているものがあります。
「ちくまプリマ―新書」や「岩波ジュニア新書」は、中高生向けに書かれたシリーズでオススメです。
「自分との比較ができる」とは
主人公や登場人物が自分と同年代だったり、同じ境遇だったりする本のことです。
登場人物に共感することで物語をより深く読めます。
これらのポイントを押さえた本であれば、ライトノベルや絵本でもかまいません。
自分の心が大きく揺さぶられ、新たな発見や気づきがあった本を選んでみましょう。
原稿用紙5枚の構成は?
読書感想文は「はじめ・なか・おわり」の三部構成が書きやすいです。
なぜなら、三部構成は文章の基本の型で、考えをまとめやすいからです。
ここでは、原稿用紙5枚(2000字)の構成をタイトルの付け方から紹介します。
◎タイトル
ありきたりな「(書名)を読んで」ではなく、自分の感動が簡潔に伝わる言葉を選ぶのがポイントです。
(例)「本当の〇〇とは」「△△のためにできること」「(主人公)のようになりたい」など。
◎はじめ(全体の20%、だいたい原稿用紙1枚分)
本を読んだきっかけ、あらすじ、中心となる感想を簡潔に書きます。
◎なか(全体の60%、だいたい原稿用紙3枚分)
感想を詳しく書きます。
心に残った場面、登場人物について思ったこと、自分と比較して考えたことなどについて詳しく掘り下げます。
◎おわり(全体の20%、だいたい原稿用紙1枚分)
本から得たこと、読み終わったときの気持ち、これから自分がしたいこと、本を読んで願うことなどを書きます。
読書感想文の書き出しのポイント
文章は書き出しで決まるとも言われます。
なぜなら、人は読みたい文章を書き出しで判断するからです。
しかし、人に読みたいと思わせる書き出しを書くのは簡単なことではありません。
ここでは、読書感想文の書き出しのポイントを紹介します。
書きやすいのは、「本を読んだきっかけ」から始めることです。
「家族や友人に進められて」「表紙や題名にひかれて」など、本を手に取ったきっかけを書きます。
書き出しを書く際には、ネタをいくつか準備しておくと書きやすいです。
「表紙や題名を見て思ったこと」
「本を読んだ最初の感想」
「心に残った言葉」
「登場人物への一言」
などは書き出しに使えるので、ふせんなどにメモしておきましょう。
読み手を引きつけるのは、「問いかけの形」で書き始めることです。
具体的には「みなさんは、〇〇についてどう考えていますか。」という読み手に対して問いかけたり、「〇〇とはどういうことだろう。「(書名)」を読み終えて、そんな問いがわたしのなかにわいてきた。」と自分自身に問いかける形で書いてもいいです。
ちょっと変わった書き方もあります。
作者や主人公、登場人物に宛てた「手紙風に書く」という書き方です。
「拝啓 〇〇様 あなたはあの時、どんな思いでしたか。」
「先生はなぜ、△△を舞台にしたのですか。」
という風に、相手に語りかけるように書いてみるのもいいでしょう。
読書感想文 あらすじの書き方
「あらすじ」は簡潔にまとめます。
読書感想文で重要なのは、あらすじではなく感想だからです。
だらだらとあらすじを説明しながら、感想を付け加えていくスタイルの感想文がよくありますが、伝えたいことがはっきりせず、読みにくい文章になってしまいます。
物語を簡潔に説明するには「〇〇が~~する話。」の形で一文でまとめてみましょう。
印象に残った部分だけを取り上げる形でもかまいません。
感想はどのように書く?具体的な書き方も
「感想」は本を読んで気になった箇所を掘り下げて書きます。
「感想」は、読書感想文の最も大切な部分ですが、何をどのように書けばよいのだろうと疑問に思っている人も少なくないでしょう。
そんな人は、
「①考えが変わったこと」
「②意外に思ったこと」
「③特におもしろかったこととその理由」
「④本のテーマ」
について、自分が詳しく書けそうな項目を選んで書いてみましょう。
①考えが変わったこと
本は読者の心を動かすことを目的に書かれています。
本を読む前と読んだ後で、見方や考え方が変わったり、これまでの考えがさらに深まったりしたことが何かしらあるはずです。
そのことについて書きます。
具体的には「この本を読むまでは、〇〇について~~と考えていたが、この本を読んで、△△と考えるようになった。」のように書くと、書きやすいでしょう。
②意外に思ったこと
自分だったらこうするのに、なぜ主人公はあんな行動をとったのだろう、と感じるような登場人物の不思議な行動や言動を取り上げて、その理由を考えます。
具体的には「自分だったら〇〇するのに、主人公は△△な行動をとった。私はその理由を~~だと考える。」のように書きます。
③特におもしろかったこととその理由
「この本の中で〇〇が特に興味深かった。その理由は、~~からだ。」のように、本の内容を知らない人に、その本のおもしろさを伝えるつもりで書いてみましょう。
④本のテーマ
「筆者はこの本の中で〇〇と述べている。私はそれについて、こう考える。」のように、本のテーマ(主題)についての考えを書きます。
早く書き上げるには、本を読みながら感想をふせんにまとめておくことをオススメします。
「印象に残った言葉や場面」「ここが気になる」と思った箇所にふせんを貼ってみましょう。
そして、その箇所について
「なぜ~したのか(理由)」
「もしも自分ならどうするか(比較)」
「どうしたらよいのか(今後の展望)」
をキーワードに深く掘り下げてみましょう。
読書感想文の結びのポイント
「結び」には、これからの展望を書きます。
本から得たことを今後にどういかすかを書くことで、単なる読んだ感想で終わるのではなく今後につながる文章になるからです。
具体的には「この本を読んで、~~と考えるようになった。これからは、△△したい。」というように書きます。
その際、「書き出し」で書いたこととの対応関係に注意しましょう。
「書き出し」で問いかけを提示した場合は、その問いかけに対する答えを「結び」に書きましょう。
まとめ
・中学生の読書感想文は 「心を動かされた本」「知らないことが書いてある本」「自分との比較ができる本」を選ぶ。
・原稿用紙5枚は「はじめ・なか・おわり」の三部構成で書く。
・読書感想文の書き出しは「読み手をひきつけるように書く」。
・読書感想文のあらすじは「簡潔に書く」。
・感想は「気になった個所を掘り下げて書く」。
・読書感想文の結びには「これからの展望」を書く。
今回ご紹介した読書感想文の書き方を実践するだけで、すらすらと読書感想文が書けるようになります。
ぜひここで紹介した読書感想文の書き方を実践し、すらすらと読書感想文を書いてみてくださいね。