「詩を書く宿題が出された!」
「何を書いたらいいかわからない。」
「詩が簡単に書ける方法はないの?」
国語で詩を書く課題が出され、このような悩みに直面したことはありませんか?
この記事では、中学校の国語教員の経験をもつ私が、簡単に楽しく書ける詩の創作方法を紹介します。
ここでは、詩が書けないと悩む中学生に、以下のポイントを解説します。
・詩を書くコツ
・詩を作るときに知っておくと便利なこと
10分くらいで読める記事ですが、書いてあることを実践すれば、楽しく詩が書けるようになるでしょう。
それではさっそくいきましょう。
詩を書くコツ
詩は、少ない言葉のなかに作者の感動や思いを込めて、印象深く表現したものです。
詩を書く際は、まず「少ない言葉で表現する」ことを意識すると書きやすいです。
そのうえで、以下の流れで書き進めてみましょう。あっという間に詩が作れます。
テーマを決める
まずは、テーマを決めます。
テーマは何を選んでも大丈夫です。
「学校生活について・春夏秋冬・食べ物・身近な物」などの具体的なものでも、
「喜び・悲しみ・恋愛・生死」などの抽象的なものであってもOK。
次のキーワードを書き出す作業でたくさんの言葉が思いつければ、表現につながります。
テーマを決めたもののキーワードが書き出せないとなった際は、テーマを変えてみるといいですよ。
今回は、テーマを「夏」にしてみます。
テーマ例:夏について
キーワードを書き出す
次に、キーワードを書き出します。テーマから思いつくものを3~4個書き出し、思いついた言葉からさらに浮かんだ言葉を書き出します。連想ゲームを楽しむような感覚で取り組むといいでしょう。
まず浮かんだキーワード:海、スイカ、風鈴、暑い・・・など
さらに浮かんだキーワード:
「海」→青、しょっぱい、広い・・・
「スイカ」→種飛ばし、甘い、赤と緑・・・
「風鈴」→涼しい、風、ガラス・・・
「暑い」→汗、熱中症、寒い・・・
キーワードから表現を作る
最後に、キーワードを組み合わせたり、分類したりして、表現を作ります。
キーワードを分類してみると、意外な発見があり、表現づくりに役立ちます。
たとえば、上記のキーワードでは、「青」「赤と緑」の色に関する語や、「しょっぱい」「広い」「甘い」「涼しい」「暑い」「寒い」など状態を表す語が出てきました。
それらに焦点をあてて組み合わせてみると、以下のような詩ができます。
青い海で
感じたしょっぱさ
真っ赤なスイカを食べて
感じた甘さ
りーんりんと鳴る
風鈴の涼しさ
汗だくになった
あの夏の暑さ
上記の詩では、行の最後に体言(=名詞〔しょっぱさ、甘さ、涼しさ、暑さ〕)を用いる体言止めや、「りーんりんと鳴る」に「りーんりん」のような擬音語を用いるなどの表現技法を使っています。
詩を作るときに知っておくと便利なことがありますので、次にそれを紹介します。
詩を作るときに知っておくと便利!
詩を作るときに知っておくと便利な知識を紹介します。
詩の読解にも役立ちますので参考にしてみてください。
言葉の種類と形式
まず、詩の分類についてです。詩は用いられる言葉の種類と形式によって以下の呼び名があります。
言葉の種類による分類では「文語詩(ぶんごし)」と「口語詩(こうごし)」があります。
「文語詩」とは、昔の文章語(=文語)で書かれた詩のことで、「口語詩」とは、今の言葉(=口語)で書かれた詩のことです。
詩の形式による分類では、「定型詩」「自由詩」「散文詩」があります。
「定型詩 」とは、音数や行数に一定のきまりがある詩です。五音と七音のリズムを持つものが多いです。
「自由詩」とは、音数や行数にきまりのない詩です。
「散文詩」は、改行をせずに、文章のように書かれている詩をさします。
詩を分類する際には、言葉の種類と形式を組み合わせて、「文語定型詩」や「口語自由詩」といった表現をすることも多いです。
用いる言葉や形式に工夫をこらすと、より詩作が楽しくなります。
詩の表現技法
詩では、印象を強めたり、味わい深くしたりするために次のような表現技法がよく使われます。
・比喩・・・別のものにたとえて表す。(滝のように汗が流れる。)
・体言止め・・・行の最後に体言(名詞)を用いる。(待ちに待った夏。)
・倒置法・・・言葉の順序を入れ替える。(今日は暑い。→暑い。今日は。)
・反復法(リフレインとも)・・・同じ言葉を繰り返す。(夏だ。夏だ。夏がやってきた。)
・擬声語や擬態語(オノマトペとも)・・・音声や動作などを文字で表現する。(犬がわんわんと鳴く。/汗がだらだらと流れる。)
同じ内容を表すのでも、表現技法を使ってみると印象が変わることがあります。
詩を作る際にも参考にしてみましょう。
まとめ
・詩を書くコツ
①テーマを決め、
②キーワードを書き出し、
③キーワードから表現を作る。
・詩を作るときに知っておくと便利なこと
・詩の言葉には、文語と口語がある。
・形式には、定型詩・自由詩・散文詩がある。
・表現技法(比喩、体言止め、倒置法、反復法、擬声語・擬態語など)を用いる。
今回ご紹介した詩の書き方を実践するだけで、簡単に楽しく詩が書けるようになります。
ぜひここで紹介した詩の書き方を実践し、楽しく詩を創作してみてください。