テストや模擬試験で証明問題に全く手がつかない人、いますよね。
僕も、証明の欄だけ空欄にしてしまうことがよくありました。
でも、ある時気づいたんです。
「やり方を知っていれば、絶対に点数がもらえる!」
そう、証明は必ず点数がもらえる得点源なのです。
この記事を読み終わるころには、あなたも証明の書き方がつかめるでしょう。
具体例を通して説明していきます。
証明は、日常会話と同じ!?
友達や家族と話している場面を想像してみてください。
例えば、昨日食べたご飯の話をしているとしましょう。
Aさん:「昨日の夜ご飯はステーキを食べに行ってきたんだ!」
Bさん:「羨ましい!どんな味だった?」
Aさん:「お肉の焼き加減が絶妙で、とっても柔らかかったし、噛んだら肉汁があふれ出してくるの!とってもおいしかった!」
この会話が証明と関係あるのか分からない方、会話の構造を見てみましょう。
ステーキを食べたAさんが言いたかったことは、まとめると
「ステーキが美味しかった」ということです。
そのおいしさを伝えるために、肉の焼き加減や柔らかさ、肉汁の話をしたのです。
この構造は証明と全く同じです。
証明するお題があるときに
「こういう理由で、このお題は証明できる」という流れにすればいいのです。
「お肉の焼き加減が絶妙で、柔らかかった→おいしかった」
こんな感じです。
では、なぜ多くの人が証明を苦手とするのでしょうか?
それは、理由の部分がお肉の話ではなく、数学的な内容だからです。
でも、裏返して考えてみると「数学のこと」をいくつか知るだけでいいのです。
そして、知らなければいけないのは、どうせ公式や条件として覚えなければいけないことです。
・証明ができれば、公式を自在に操れる
・公式を覚えていれば、証明が簡単にできる
そんな関係性になっています。
合同の証明
では実際に、合同の証明問題を解いてみます。
∠BAC=∠EDC、AC=DEの時、AB=DEであることを証明せよ。
こんな問題があったとします。
まず、図を見ます。
そして、問題で教えてくれている条件を図に書き込みます。
∠BAC=∠EDC、AC=DEの時 とあるので
こんな感じですね。
今は分かりやすいように赤ペンで書いていますが、本番は黒しか使えないと思うので、自分で分かりやすい工夫をしましょう。
他に等しいところを探す
次に、どこか等しいところはないのか、探します。
問題が難しくなるにつれて、この探す時間が長くなってしまいます。
諦めずに、知っている内容を見つけましょう。
気づきましたか?
対頂角ですね。
対頂角は等しいということを覚えていれば、∠ACB=∠DCEと書けるはずです。
忘れていた方は、今覚えれば大丈夫です。
このような感じで、「知識→気づき」という流れを証明では使います。
さて、気づきがあったので、また図に書き込みます。
図に書き込むときのポイントですが、
同じ大きさの角には同じ記号を、違う大きさの角度には違うマークをしましょう。
辺も同じです。
頭の中を整理するために書き込みをしているので、混同してしまっては元も子もないです。
書き込みをしたら、図を見てみよう
何か気づくことはないですか?
この場面でも、先ほど言った「知識→気づき」という流れが必要です。
気づいてほしいのは、三角形の合同条件の一つである
「1組の辺とその両端の角が等しい」
が成り立っていることです。
そして、この条件から、△ABC≡△DECと言えます。
合同ということは、△ABCと△DECが同じ図形であることを表しています。
だから、対応する辺どうしであるABとDEは等しいと言えます。
証明の流れは分かりましたか?
流れが分かったら、書き方に移ります。
ある程度書き方が分かる人は、いったん自分で証明を書いてみてください。
下に、答えを書きます。
解答
△ABCと△DECで
仮定よりAC=DC…①
∠BAC=∠EDC…②
対頂角より∠ACB=∠DCE…③
①、②、③より 1組の辺とその両端の角が等しい から △ABC≡△DEC
対応する辺より、AB=DE
このような書き方になります。
書く手順をまとめると下のようになります。
1.どの三角形について書くのか
2.理由
3.合同条件
4.結論
書き方のポイント
まず、問題に書かれている条件は「仮定」という言葉で表現します。
「仮定」とは、問題を作った人が決めてくれたことです。
仮定が無ければ、自分ですべて見つけなければいけないので、とっても大変です。
「仮定」に感謝ですね。
次に、気づいたことを書きます。
いくつか気づくことがあった時は、その証明に必要なものだけを書くようにしましょう。
全部書いてしまうのは、スーパーに買い物に行くのに、買ってもらったサッカーボールを持っていくようなものです。
要するに、無駄なものとなってしまいます。
それぞれの条件に①などとしているのは、合同条件を書くときに楽をするためです。
何度も、∠ABC=…と書くのは面倒ですからね。
証明問題の解き方 まとめ
証明は、流れと書き方がすべてです。
「知識→気づき」というのも大事です。
証明ができるようになってきたら、その公式や条件が身についていると考えてよいと思います。
証明の仕方に慣れるまで、まずは、解答を写したりするのもありです。
解答の使っている表現の仕方を盗みましょう。
ここまで読んでくださった方、問題集の問題を1問だけでよいので解いてみてください。
何か進歩があるはずです。