天気の分野は、名称が似た語句や意味が混同しやすい用語などがあり、なかなか覚えられずに苦労してしまう人も多いですよね。
しかし一つ一つの用語は実はそれほど難しいものはなく、ポイントを押さえて整理すればきちんと覚えることができます!
この記事では、元中学校教員が天気の分野のポイントを詳しく解説します。
特につまずきやすい
「湿度の計算」
「気圧」
「前線の種類」
「日本の天気の特徴」
について解説するので、最後まで読めば今までつまずいていた天気の問題も解けるようになりますよ。
湿度の計算
湿度は、空気に含まれる水蒸気の量を、そのときの飽和水蒸気量(温度によって含むことができる水蒸気の最大量)に対する百分率で表します。
湿度を求める公式
湿度(%)=空気1㎥に含まれる水蒸気の質量(g/㎥)÷その空気と同じ気温での飽和水蒸気量(g/㎥)×100
湿度を求める問題はほとんどの場合、グラフや表とセットで出題されます。
グラフや表の数値を正しく読み取り公式に当てはめればOK!
単位が「 ㎥ 」なので計算する時は注意しましょう!
例題
室温が24℃の部屋で、空気中1㎥中に17.3gの水蒸気が含まれている。
この時の湿度を求めなさい。(24℃の時の飽和水蒸気量は1㎥あたり21.8g)
(式)17.3÷21.8×100=79.3
(答)79.3%
気圧
高気圧と低気圧は、特徴が正反対になっています。特徴をセットで覚えましょう。
高気圧の特徴
まわりよりも気圧が高いところ。一般的に天気が良い。
北半球では、中心から時計回りに下降気流がふき出す。
南半球では、中心から反時計回りに下降気流がふき出す。
低気圧の特徴
まわりよりも気圧が低いところ。一般的に天気が悪い。
北半球では、中心に向かって反時計回りに上昇気流がふき込む。
南半球では、中心に向かって時計回りに上昇気流がふき込む。
・高気圧と低気圧では、風向と気流が反対になっている。
・風は高気圧からスタートし、低気圧へゴールする。
・等圧線の間隔がせまい地点は風が強い。
前線の種類
寒気と暖気のように、性質が異なる気団どうしがぶつかってできる境界面を前線面といい、前線面と地表面が交わるところを前線といいます。
次の4つの前線の特徴を覚えておきましょう。
温暖前線
広範囲におだやかな雨を降らせ、通過後は気温が上がる。
寒冷前線
せまい範囲に強い雨を降らせ、通過後は気温が急激に下がる。
停滞前線
寒気と暖気の勢力がほぼ同じで、ほとんど動かない。
雲が発生しやすく、天気が悪い。
つゆの時期の停滞前線を梅雨前線、秋の初めの停滞前線を秋雨前線という。
閉塞前線
進むのが速い寒冷前線が温暖前線に追いついてできる前線。
地表面が冷たい空気で覆われて、天気が大荒れになる。
日本の天気の特徴
気圧や前線について理解していれば、日本の天気の特徴もすぐに理解することができます。
それぞれの時期の天気の特徴を、気圧や前線とセットで確認しましょう。
春・秋の天気
高気圧と低気圧が交互におとずれ、天気が変わりやすい。
つゆの天気
梅雨前線が日本付近に停滞し、くもりや雨の日が多い。
夏の天気
大陸側に低気圧、太平洋側に高気圧が配置し、蒸し暑い日が続く。
冬の天気
西高東低の気圧配置で、日本海側では雪が降り、太平洋側は晴れることが多い。
日本付近では低気圧が西から東に移動するため、前線の通過に合わせて、天気も西から東に変わる!
例題
梅雨の時期の天気の特徴を説明しなさい。
(答)停滞前線が日本上空にでき、長い間雨が降り続く。
このように気圧や前線と季節の関係を説明するような記述問題はよく出題されるため、それぞれの特徴を説明できるようにしてきましょう。
天気のまとめ
天気の分野は、基本的な用語の意味を理解して図やグラフを正しく読み取ることができれば、比較的点数がとりやすい分野です。
この記事で解説した計算や用語をしっかり理解して覚えることで、問題をスムーズに解くことができるようになりますよ!
ぜひ繰り返し読んで、しっかり覚えてくださいね。