力の分野は、公式を覚えて計算したりきまりを理解したりすることが難しく、苦労してしまう人も多いですよね。
しかし、ポイントを押さえて整理すればきちんと理解して覚えることができます!
この記事では、元中学校教員が力の分野のポイントを詳しく解説します。
基本となる「力の表し方」や、
特につまずきやすい
「力のつり合いと作用・反作用」
「力の合成と分離」
「圧力」
についての内容を解説するので、最後まで読めば今までつまずいていた力の問題も解けるようになりますよ。
力の表し方
力は①大きさ、②向き、③力を受ける点(作用点)の3つから成り立っており、次のきまりに従って矢印で表す。
- 力の大きさ……矢印の長さ
- 力の向き……矢印の向き
- 力を受ける点(作用点)……矢印の根元
【ポイント】
力の問題に挑戦するときは、力の矢印を書き込みながら解くとわかりやすい!
力のつり合いと作用・反作用
力のつり合い
物体が2つの力を受けているのに静止したままのとき、その物体が受ける2力はつり合っているといえる。
例:机の上にある箱
机の上にある箱は、地球上である限り、地球から引かれる力(重力)を受けている。
重力は箱の重心から下向きに働いている。同時に、箱は机から上向きの力を受けている。
このとき、この2つの力はつり合っている。
作用・反作用
先ほど挙げた例でいうと、机の上にある箱は、下向きに机を押している。
それと同時に、机は箱を押し返している。
「押せば、押し返される」の「押す」と「押し返される」は同時に起こっていて、この一方の力を【作用】とすると、他方の力を【反作用】という。
作用・反作用の法則
作用と反作用の力は常に反対向きで同じ大きさになり、いつも対で働いている。
覚え方
作用と反作用は
- 大きさが等しい
- 一直線上にある
- 向きが反対である
力の合成と分解
【力の合成】
物体に働く2つ以上の力を、同じ働きをする1つの力と考えること。
【合力】
合成した力のこと。
【2力と合成の関係】
2力の向きが同じ場合、2力が一直線上にない場合……合力はもとの力より大きい
2力の向きが反対の場合……合力はもとの力より小さい
※物体が静止している場合は物体にはたらく全ての力がつり合っているため、合力は0
力の分解
1人で持つには大きな力が必要な物体でも、2人では小さな力で持つことが可能になる。
このとき、1つの力を2つの力に分解したという。
分力
分解した力のこと。
圧力
【圧力】
面積1㎡あたりを垂直に押す力の大きさのこと。単位は㎩(パスカル)。
【圧力の求め方】
圧力Pa(N/㎡)=面を垂直に押す力(N)÷力を受ける面積(㎡)
【水圧】
水による圧力のこと。水の深いところほど大きくなる。
【浮力】
水中にある物体が受ける、液体から上向きに押し上げられる力のこと。
【大気圧】
地表近くの空気が、上空の空気の重量によって押し縮められて生じる圧力のこと。
例題
質量15㎏、1辺が20㎝の立方体の形をした物体をスポンジの上に置き、スポンジのくぼみ方を調べる実験を行った。
このときスポンジが物体から受ける圧力の大きさは何㎩か。
ただし、質量100gの物体にはたらく重力の大きさを1Nとする。
(考え方)
・質量 100gの物体にはたらく重力が1Nなので,質量15㎏(15000g)の物体にはたらく重力は150N。
・圧力を求める公式は「力を受ける面積」の単位が「㎡」なので、立方体の1辺を0.2mに直して計算する。
(式)150(N)÷0.04(㎡)=3750㎩(N/㎡)
(答)3750㎩(N/㎡)
まとめ
力の分野は、きまりを理解したり公式を覚えて計算練習をしたりすることが大切です。
この記事で解説したきまりや法則をしっかり理解して覚えることで、問題をスムーズに解くことができるようになりますよ!
ぜひ繰り返し読んで、しっかり覚えてくださいね。