「品詞を見分けられない。」
「どうやって覚えたらいいかわからない。」
「品詞は数も多くて難しい。」
中学校の国語の文法で品詞を学んでいて、このような悩みに直面したことはありませんか?
国語の学習でつまずきやすいのが文法です。
そのなかでも、品詞の分類は中学生が最も苦戦する分野です。
覚える用語も多く、かつ見分け方もたくさん出てくるので、勉強を投げ出してしまう人も少なくありません。
しかし、テストや入試の文法の問題では、品詞が見分けられないと解けない問題がほとんどです。
「品詞を制する者が文法を制する」といっても過言ではありません。
この記事で紹介する『品詞の見分け方と覚え方』を実践すると、品詞を得意にできます。
ここでは、国語の文法で、品詞がわからないと悩む中学生に、以下のポイントを解説します。
・品詞の見分け方のポイント
・品詞の覚え方のポイント
15分くらいで読める記事ですが、書いてあることを実践すれば、品詞が得意になるでしょう。
それではさっそくいきましょう。
品詞の見分け方
日本語の品詞は、
「動詞・形容詞・形容動詞・名詞・副詞・連体詞・接続詞・感動詞・助動詞・助詞」
の全部で10品詞あります。(代名詞も加えて11品詞とする考え方もあります。)
品詞の見分け方には段階があります。
まず「自立語か付属語か」を見分け、次に「活用するかしないか」で見分けます。
そして、
「自立語で活用する品詞は言い切りの形」に注目して見分け、
「自立語で活用しない品詞は文の成分」に注目して見分ける
という方法です。
用語の意味も含めて、それぞれを解説します。
自立語か付属語か
まず「自立語か付属語か」に着目します。
「自立語」とは、それだけで一つの文節を作れる単語のことで、「付属語」とは単独では文節を作れない単語で、常に自立語にくっついて用いられる単語のことです。
たとえば、「私は中学生です。」という文を単語に区切ると
「私/は/中学生/です。」の4つの単語に分けられますが、
「私」「中学生」は自立語で、「は」「です」は付属語です。
活用するかしないか
次に「活用するかしないか」を判断します。
「活用する」とは単語の形が後に続く語によって変化することです。
たとえば、「私は走ります。」という文を単語に区切ると
「私/は/走り/ます。」となりますが、
「私」や「は」は形が変化しないので「活用しない」語、
「走り」や「ます」は後に続く語によって「走ら(ない)・走り(ます)・走る・走る(とき)・走れ」や「ませ(ん)・まし(た)」と形が変化するので「活用する」語
となります。
単語を「自立語か付属語か」「活用するかしないか」で分類すると、10品詞は以下のように分けられます。
・自立語で活用する →動詞・形容詞・形容動詞
・自立語で活用しない→名詞・副詞・連体詞・接続詞・感動詞
・付属語で活用する →助動詞(「らしい・たい・れる・だ」など)
・付属語で活用しない→助詞(「の・よ・は・から・が・ば」など)
用言(動詞・形容詞・形容動詞)の見分け方
「自立語で活用する」品詞には、動詞・形容詞・形容動詞の3品詞があります。
動詞・形容詞・形容動詞は3つをまとめて「用言」とも表現します。
用言を見分ける際には、言い切りの形(終止形)の最後の音に注目します。
以下のように、言い切りの形の最後の音が
・ 「ウ段の音(うくすつぬふむうるう)なら動詞」
・ 「『い』なら形容詞」
・ 「『だ』『です』なら形容動詞」
と見分けます。
・ 言い切りの形がウ段の音 →動詞(「思う・歩く・食べる」など)
・ 言い切りの形が「い」 →形容詞(「楽しい・寒い・眠い」など)
・ 言い切りの形が「だ」「です」→形容動詞(「きれいだ・賑やかです」など)
それ以外(名詞・副詞・連体詞・接続詞・感動詞)の見分け方
「自立語で活用しない」品詞には、名詞・副詞・連体詞・接続詞・感動詞の5品詞があります。
どんな「文の成分」になるかによって以下のように見分けられます。
ここで、主語とは「何(だれ)が」にあたる語、修飾語とは下につづく語の意味をくわしく説明する語で、
そのうち
連用修飾語とは「ゆっくりと歩く」の「ゆっくりと」のように用言(動詞・形容詞・形容動詞)に連なる修飾語。
連体修飾語とは「熱いお茶」のように体言(名詞)に連なる修飾語です。
接続語とは、語と語、文節と文節、文と文、段落と段落などをつなぐ語です。
独立語とは、文の中で他の語とは関係がなく独立した語です。
品詞を見分ける際には、このように「文の成分」を理解していないと見分けられないという場面もありますので、各分野をしっかりと復習をしておきましょう。
・ 主語になる →名詞(「私・中学校・前」など)
・ 連用修飾語になる→副詞(「ゆっくりと・しとしと・にっこり」など)
・ 連体修飾語になる→連体詞(「小さな・あらゆる・この」など)
・ 接続語になる →接続詞(「すると・だから・しかし」など)
・ 独立語になる →感動詞(「ああ・はい・おい」など)
品詞の覚え方
品詞は、数も多く、用語も日常生活では使わない言葉ばかりで、覚えるのが大変です。
ここでは、おすすめの品詞の覚え方を紹介します。
具体例とセットで覚える
まずは具体例とセットで覚えることです。
具体的な語がイメージできていないと用語だけが一人歩きしてしまうからです。
動詞には「書く・閉じる・いる」などがあると、具体的な語とセットにして覚えましょう。
そうすることで、言い切りの形がウ段の音で終わるなどの動詞の他の性質も自然と覚えられます。
自分の理解できる言葉で覚える
次に自分の理解できる言葉で覚えることです。
たとえば、動詞の定義は「物事の動作・作用・存在を表す語」ですが、この定義を覚える必要はありません。
具体例とセットにした上で、動詞は「書く・閉じる・いる」などの「動きのある品詞」と自分の理解できる言葉で覚えると忘れにくくなります。
品詞の見分け方と覚え方 まとめ
◎品詞の見分け方
自立語で活用する →動詞・形容詞・形容動詞
言い切りの形がウ段の音 →動詞
言い切りの形が「い」 →形容詞
言い切りの形が「だ」「です」→形容動詞
自立語で活用しない →名詞・副詞・連体詞・接続詞・感動詞
主語になる →名詞
連用修飾語になる→副詞
連体修飾語になる→連体詞
接続語になる →接続詞
独立語になる →感動詞
付属語で活用する →助動詞
付属語で活用しない→助詞
◎品詞の覚え方
①具体例とセットにして
②自分の理解できる言葉で覚える
のが効果的です。
というわけで、
今回ご紹介した品詞の見分け方と覚え方を実践するだけで、国語のテストで品詞の問題がすらすらと解けるようになります。
ぜひ、文法を得意分野にしてください。