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【中学生の理科】イオン式の覚え方と問題

イオンの分野は、イオン式を覚えたりきまりを理解したりすることが難しく、苦労してしまう人も多いですよね。

しかし、原子のしくみやイオンのルールなどポイントを押さえて整理すれば、きちんと理解して覚えることができます!

この記事では、元中学校教員がイオンの分野のポイントを詳しく解説します。

特につまずきやすい「原子の構造」「イオンとイオン式」「電離式」「電解質水溶液」についての内容を易しく解説するので、最後まで読めば今までつまずいていたイオンの問題も解けるようになりますよ。

原子の構造

まずはイオンを理解する際に基本となる、原子の構造について解説します。

原子の中心にある【原子核】は、+の電気をもつ粒子の【陽子】と、電気をもたない粒子の【中性子】からなっています。その原子核のまわりを飛びまわっているのが、-の電気をもつ粒子の【電子】です。

原子核の中の陽子の個数は、周期表に書かれている原子番号と同じです。

ふつうの状態では+の電気をもった陽子と-の電気をもった電子の数が等しく互いに打ち消し合って電気的に中性となっているため、原子全体としては電気を帯びていません。

イオンとイオン式

イオンとは、原子や原子の集まりが+または-の電気を帯びたものです。
イオンには大きく分けて次の2種類があります。

【陽イオン】原子が-の電気をもつ電子を失って、+の電気を帯びたもの。

例:水素イオン(H⁺)、銅イオン(Cu²⁺)、アンモニウムイオン(NH₄⁺)

【陰イオン】原子や原子の集まりが電子を受けとって、-の電気を帯びたもの。

例:塩化物イオン(Cl⁻)、水酸化物イオン(OH⁻)、硫酸イオン(SO₄²⁻)

イオンの表し方のきまり

次はイオンの表し方のきまりです。

【イオン式】
元素記号に電気の種類(+または-)と価数(イオンになるときにやりとりする電子の数)の数字を右上につけることで表す。

次に代表的なイオン式の例を挙げますので、ぜひ覚えておきましょう。

イオン式価数陽イオン
Na⁺+1ナトリウムイオン
H⁺+1水素イオン
NH₄⁺    +1アンモニウムイオン
Cu²⁺+2銅イオン
Ca²⁺+2カルシウムイオン
Al³⁺+3アルミニウムイオン
イオン式価数陰イオン
Cl⁻-1塩化物イオン
OH⁻-1水酸化物イオン
CH₃COOH⁻-1酢酸イオン
O²⁻-2酸化物イオン
SO₄²⁻-2硫酸イオン
CO₃²⁻-2炭酸イオン

電離式

【電離】物質が水に溶けて陽イオンと陰イオンに分かれること。

【電離式】電離の様子を化学式とイオン式を使って表す。

電離式の例題

塩化ナトリウム(NaCl)を水に溶かしたときの電離式を書きなさい。

(考え方)塩化ナトリウム(NaCl)は、水溶液中ではナトリウムイオン(Na⁺)と塩化物イオン(Cl⁻)に分かれます。

(答)NaCl→Na⁺+Cl⁻

電解質水溶液

【電解質】水に溶かしたときに電流を流す物質。水に溶けると電離して、陽イオンと陰イオンに分かれる。

【非電解質】水に溶かしたときに電流を流さない物質。

【ポイント】
物質名の後に金属が入る化合物は電解質です。
(例)〇〇ナトリウム、○○カリウム、○○銅、○○鉄など非金属の原子だけからできている物質は、酸以外は非電解質です。

電解質の例題

次の物質を「電解質」と「非電解質」に分けなさい。
食塩・エタノール・塩酸・炭酸水・硝酸カリウム・砂糖・水酸化ナトリウム

(答)

電解質:食塩、硝酸カリウム、水酸化ナトリウム、炭酸水、塩酸

非電解質:エタノール、砂糖

まとめ

イオンの分野は覚えることが多いイメージですが、きちんとしくみやルールを理解することで、用語やイオン式も覚えやすくなります。

この記事で解説した用語やルールをしっかり理解して覚えることで、問題をスムーズに解くことができるようになりますよ!

ぜひ繰り返し読んで、しっかり覚えてくださいね。

・この記事を書いた人

あや先生
群馬大学卒業。
小中学校教員として11年間の勤務経験あり。

現在は学習支援員として、中学校の理科の授業補助を行っています。

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