地理分野を勉強する中で、覚えにくくて苦労するのが世界の気候帯です。
世界の地理をマスターするためには、これを基本として知っておく必要があるのです。
そこで、今回は世界の気候帯について、それぞれの特徴や覚え方を一緒に勉強していきたいと思います。
五つの気候帯を見分けるポイント
まずは、気候帯が大きくわけて5つあることを理解しましょう。
気候帯は、基本的に「降水量」「平均気温」のどちらか、または両方の要素から判断します。
つまり降水量と気温がどうなっているのかを知っておけば、簡単に見分けることができます。
気候帯の問題は、よく雨温図とセットになって出てきますが、雨温図に示されているのも降水量と平均気温なのです。
そしてその5つの気候帯は、さらに細かく分かれています。
例えば熱帯には、「一年中気温が高い」という特徴があります。これは熱帯に共通する特徴です。
熱帯の中の熱帯雨林気候は「一年中気温が高く」て「一年中雨が降る」、
もうひとつのサバナ気候は「一年中気温が高く」て「雨の降る時期に差がある」のです。
全部の気候をばらばらに覚えていくのではなく、まずは大きい枠組みの◯◯帯、そしてその中に✕✕気候、があるということを整理していきましょう。
それでは、それぞれの気候帯の特徴と見分けるポイントを見ていきます。
熱帯
【気温】一年を通して高い
赤道付近に広がっています。
「熱」という名前の通り、一年中暑いイメージです。
熱帯雨林気候
【降水量】一年中雨が多い
雨量が多いので、「熱帯雨林」とよばれる森林が広がっています。
サバナ気候
【降水量】降る時期(雨季)と降らない時期(乾季)の差が大きい
雨温図を見ると、雨季と乾季がはっきり分かれます。
乾燥帯
【降水量】非常に少ない
雨が少ないため森林は育ちません。
砂漠気候
【降水量】ほとんど降らない
いわゆる「砂漠」のイメージです。ほとんど雨が降らないため、農業は盛んではありません。
ステップ気候
【降水量】雨季には雨が降る
少し雨が降るので、短い草が生えます。この短い草の生えた草原を「ステップ」と呼びます。
温帯
【気温】季節によって変化がある(四季がある)
農業に適した気候である。動物も多く生息する。
温暖湿潤気候
【降水量】夏の降水量が多い
日本の大部分はここに属しています。
季節によって風向きが変わる「季節風(モンスーン)」が吹くので、季節ごとに気候が変化します。
西岸海洋性気候
【降水量】年間を通して降水量の変化が小さい
【気温】他の温帯に比べると変化が小さい
牧草がよく育つので、羊などの牧畜がさかんです。
イギリスやニュージーランドなどが主にここに属しています。
地中海性気候
【降水量】冬の降水量が多い。夏は乾燥している。
夏の乾燥に強いオレンジ、ぶどう、オリーブなどの生産がさかん。
南イタリアやギリシャなど、夏にバカンスに訪れる人が多いのもこの地域です。
冷帯(亜寒帯)
【気温】冬の時期の気温が低い
北半球にのみ存在しています。夏には気温が上がるので、針葉樹林(タイガ)が広がります。
ロシアのモスクワなど。日本でいうと北海道は冷帯に属しています。
寒帯
【気温】年間を通して低い
緯度の高い地域。夏でも気温が上がらない。
ツンドラ気候
【気温】夏は0度を上回ることもある
夏に氷が解け、苔や草が生える場所をツンドラと言います。
カナダやノルウェーの北部があてはまります。
氷雪気候
【気温】一年中0度を下回る
一年中氷が溶けないので植物は育ちません。人間が住むにも適していない地域です。
まとめ
さて、中学で覚えておくべき気候帯を紹介しました。
今回は文字の情報だけでしたが、ぜひ、「視覚的な情報」もチェックして欲しいと思います。
ひとつが「雨温図」です。
これは気候帯の問題とは切っても切れないものなので、各気候の雨温図は必ずチェックしておきましょう。
それから、ぜひその地域の写真を見てみましょう。
社会科の資料でも、インターネット検索でもかまいません。
どんな地域なのかのイメージがわくと、名前もセットで記憶に残りやすくなりますよ。